◇はじめに
対象
テイクアウトの導入を検討している、テイクアウトを導入したばかりの小規模店舗様
背景
飲食店にとってテイクアウト導入は一つの打開策ですが、現在多くの飲食店が導入しており、事前の入念な準備が必要です。
目的
テイクアウト導入を成功に導くための基盤を作る
目次
◇目的の設定(事前準備)
何のためにテイクアウトを行なうのか
まずテイクアウトを始めるに当たり、テイクアウトの目的を整理しておきましょう。
通常テイクアウト導入の目的は以下の4つのケースのいずれかになります。最も当てはまるものはどれですか?
(A)減った売上を少しでも補うために行なう
(A)の場合、効率的に売上を補えるよう、ターゲット(購入を期待する層、後述)は新規に決めることになります。
一つでも多く売れること・再度購入してくれることを期待して行なうため、利益率は抑え気味にするべきでしょう。この後設定するターゲット次第ではありますが、メニューの価格帯も高いところは避けた方が無難です。
(B)通常営業再開後を見据えて新規のお客様を増やすために行なう
(B)の場合、ターゲットはこれまでのターゲットを引き継ぐことになりますが、その対象は新規の人々となります。
先々を見据えてのテイクアウトであるため、利益率は抑えておくべきでしょう。
(C)既存のお客様をつなぎとめるために行なう
(C)の場合、ターゲットはこれまでのターゲットを引き継ぎ、対象も既存のお客様です。
先々を見据えてのテイクアウトであるため、利益率は抑えておくべきでしょう。
(D)業態を変えてテイクアウトで勝負するために行なう
(D)の場合、ターゲットは新規に決めることになります。ビジネスとして成立するように、慎重に設定しなければなりません。
ビジネスが継続できるように、価格は無理に抑える必要はありません。
◇ターゲットの設定(事前準備・ターゲットを新規に設定する場合)
長所リストの作成
ターゲット(購入を期待する層)を決める前に、貴店が持つ長所を箇条書きで挙げてみてください。
現在のメニューは一度忘れて行ないましょう。例えば「○○の料理が得意」「○○の仕入れルートには自信がある」「盛り付けをよくお客様に褒められる」などです。
ターゲット(エリア)の設定
ターゲットは『属性』と『エリア』の両面から構成されます。
「属性」は「購入するのはどのような人たちか」、一言で言うなら顧客の人物像です。
「エリア」は「店舗からどの程度の範囲の人に来店してもらえるか」、一言で言うなら商圏です。
テイクアウトの場合、エリアは大きく二種類に分かれます。
すなわち「近隣だけに限定する(顧客は通りがかりの人)」か、「遠方も含める(顧客はわざわざ購入に来る人)」か、です。
(遠方と言っても数キロ程度で自転車や車での来店を含めます)
まずは「近隣限定」「遠方含む」のどちらを選ぶか決めてください。
ただし近隣限定を選択する場合、現在お店の前を通る歩行者が十分存在していることが条件となります。
(お客様が向こうから通りかかってくれるか、という意味です)
またこのあとターゲットの属性を決めますが、現在お店の前を通る歩行者の属性の中から選ぶことしか出来ません。
(例えば現在お店の前を通る歩行者が高齢者ばかりなのに、単身者を想定したメニューを販売することはNGです)
この歩行者の属性は実際に歩行者を観察するだけである程度分かります。
ただし歩行者の属性=利用者の属性ではないことにご注意ください。
例えば中年の女性が一人で歩いていたとしても、家には旦那様や子供が待っている可能性があります。
観察するときは何を持っているか、何時頃歩いているか、どこに向かって歩いているかなども考慮しましょう。
ターゲット(属性)の設定
ここで作成した長所リストを手元に戻してください。長所リストからどの属性を設定するか考えます。
ただし「近隣限定」と「遠方含む」、選んだ時点で属性には制約が発生しています。
前章の表の中から選択するようにしてください。
◇メニュー・商品の設計(事前準備/開始後)
メニューの設計
具体的にターゲットが決まりましたので、あとはターゲットに合わせてメニューを用意しましょう。
ターゲットのエリアが「近隣限定」か「遠方含む」で、設計すべきメニューは大きく変わります。
「近隣限定」を選んだ場合は遅くまで営業したところで効率が悪くなってしまいますが、遅い朝食や早めの昼食が選択肢となります。逆に「遠方含む」を選んだ場合は夜食が選択肢となります。
(対象者が限られる反面、競合が少なくなります)
「近隣限定」の場合、メニューはその日その日で決める形が適しているでしょう。ただし種類を増やしすぎると街行く人へのアピールがしづらくなりますし、コストも掛かってしまいますから、種類は絞りましょう。
「遠方含む」の場合、設計したメニューを看板メニューとして売り出していかなければならないため、固定化が必須です。
(メニューが少ないと不安を覚える方もいらっしゃいますが、例えばたこ焼き屋はたこ焼きしか売っていません)
「近隣限定」の場合、出来れば商品は作り置きし、最前列で販売したいところです。ただしこれから暑くなることもあり、それが出来ないメニュー・商品もあるでしょう。
その場合は一つだけサンプルを置くか、最低限大型の写真を用意しておき、注文後にすぐ用意出来る体制を整えておきましょう。(文字のメニューだけではなかなか人が寄ってきません)
「遠方含む」の場合、注文後に調理する形式となります。わざわざ貴店の商品を購入しに来る方が対象となるためそれ自体は問題ありませんが、少しでも購入しやすくするために、『LINE公式アカウント』などを活用することで、無料で予約を受けることも可能です。
(電話で予約を受けるよりも気軽に注文が出来るため)
最終的にはターゲットの属性と以前作成した長所リストを用いて、メニューを決定します。
商品の設計
ようやくターゲットとメニューが決まりました。しかし“商品”はまだ決まっていません。
テイクアウトの場合、包装や付属の割り箸・スプーンなども商品の一部です。男性の単身者向けであれば簡素なプラスチック容器と割り箸だけでも構わないでしょうが、女性や子供がターゲットであれば、拘りたいところです。
また試作品を作った後はすぐに食せず、お客様と同じ状況下で食べてみる必要があります。
作りたては美味しいものですが、一時間後にレンジで温めて食べたら美味しくないかもしれません。
再度購入してもらうためにはちょっとしたサプライズも用意しておきたいところです。簡単なところではメッセージカードやチラシを同封することが挙げられます。
(お礼や商品に込めた想いの紹介、次章で紹介するSNSアカウントの紹介など)
購入したお客様が帰宅し、蓋を開け、(誰かと)食べ、食べ終わって片付けるまでを想像し、どこかで良い印象を残せないか考えてみましょう。
◇SNSの運用(事前準備/開始後)
TwitterとInstagramは必須
金銭コスト0で始められるSNSですが、飲食店であればTwitterとInstagramは必ず運用するべきです。
どちらもユーザー数が多く、普通に運用していては埋もれてしまいますが、それでも効果は0ではありません。
運用法はターゲットで異なる
ターゲットのエリアを「近隣限定」とした場合、SNSの運用は広報だけ(その日のメニューを写真や動画付きで紹介・営業時間や休業日の紹介)で構いません。主なお客様はあくまで街行く人となるためです。
広報の目的は僅かでも目にする人を増やすこと、そして一度利用してくれたお客様が再度購入しやすくするためです。
「遠方含む」とした場合、SNSの運用は本気で取り組まなくてはなりません。SNS経由でわざわざ買いに来る人を一人でも増やす必要があります。
これはとてもここでは説明しきれませんので、以下のリンク先を参照してください。
以上で『テイクアウト導入時にTwitterを始めるべき4つの理由』を終わります。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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貴店のチャレンジが結実することを祈念いたしております。